2014年2月アーカイブ

相続登記という言葉は、一生の内にそう何度も耳にすることがない言葉ではあります。
それでも近しい身内がなくなることにより、家や土地といった不動産などを遺産として、親族が相続することは多くあることです。
しかし、黙ってそのままにしておいていては、相続できるものではなく、諸手続きが必要になってきます。
この諸手続きが素人には、面倒に感じてしまい司法書士や弁護士などのいる事務所へと依頼する人も少なくないのです。
しかし、事務所へと依頼すればそれなりな費用がかかってしまうのは否めません。

面倒くさくても自分でコツコツとやってしまえば、電話代・郵送代・交通費・収入印紙代などの実費だけで済んでしまいます。
時間があるのなら自分でやってみるのもいいかもしれません。
相続登記の大半は、故人の十五歳から現在までの本籍や戸籍謄本などを集めるのが重要になってきます。
すなわち、相続登記をすることで故人の半生を知ることにもなってくるのです。
故人との最後のお別れをする意味合いでも、この作業は身内が行うのがベストかもしれません。
ただし、自分ですると手間である事は間違いないので、できるだけ早くした方がいいと言う場合はやはり、プロの手も必要になってくるでしょう。


人間が民法で認められている権利を行使できるのは、生まれているということが大前提です。
ですが相続に関してだけは、母体の中にいる胎児であっても認められている権利となっています。民法886条に「胎児は、相続については、既に生まれたものとみなす」と規定されています。ただし、相続放棄や遺産分割協議はできません。
しかし胎児の時には認められていても、出産時に死亡していたりするとその権利は当然無効となります(民法886条2項)。したがって、基本的に相続登記のような期限がない手続きに関しては、無事に誕生してから処理を行う方がいいかもしれません。しかし、債権者が代位で相続登記を行うようなことも考えられ、その場合には胎児を含む法定相続人の名義で行うことも可能です。
では生まれていない胎児名義で相続登記をする時には、登記申請人はどうなるのでしょう。胎児名義の相続登記は母親が胎児を代理して申請することになります。登記簿の記載は「亡A妻B胎児」となります。
そして無事に出産した後で正式な名前に変更する手続きをとればいいのです。具体的には、所有権登記名義人氏名住所変更の登記手続きを行うということになります。
胎児が死産であったときには、所有権更正登記又は所有権抹消登記という手続きを行うことになります。胎児と母や他の子供との共同相続登記の場合にはその胎児以外の登記名義人の名義に登記を更正する所有権更正登記、胎児のみでなされた場合には所有権抹消登記の申請をすることになります。